慢性腎臓病

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臓器障害の影響

慢性腎臓病の進展は、全身に影響を及ぼします

慢性腎臓病は早期からの治療により、腎臓や心臓を守ることができます

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2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者では、2型糖尿病のみに罹患している患者と比較して、心血管イベントのリスクが3倍以上高くなります1)

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慢性腎臓病患者の60%以上が心血管疾患を合併しています2,3)

慢性腎臓病は腎臓だけに注目しがちですが、腎臓だけでなく全身、特に心血管疾患の発症に影響を与えます。2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者は心血管疾患による死亡率が高いことから、心血管系と腎臓は密接に関係していることがわかります4,5)。また、慢性腎臓病の進展に関与する3つの要因はさらなる腎障害を招くことから、心血管疾患の発症リスクが上昇します。

慢性腎臓病は腎臓および心血管系に深刻な影響を与えます5-7)

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腎臓への影響6,8)

  • 糸球体肥大
  • 腎血管の障害
  • 腎損傷
  • 血流減少
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心血管系への影響6,8)

  • 左室肥大
  • 不整脈
  • 心筋症
  • 血流減少

心血管疾患による死亡は、慢性腎臓病患者にとって重大なリスクです2,8)

慢性腎臓病患者は、末期腎不全に移行する率よりも心血管疾患で死亡する率の方が約6倍高くなります。慢性腎臓病の進展により腎臓はさらに障害を受けるため、慢性腎臓病を早期発見することは、慢性腎臓病の進展と心血管疾患の発症を抑制するための第一歩となります4,9,10)

腎機能障害を早期に発見することが重要です

腎機能評価には主に2つの検査が用いられます。

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推算糸球体濾過量 (eGFR)11)

  • 血清クレアチニン値、年齢、性別から算出します
  • eGFRは腎機能の評価に用いられます
  • eGFRが60mL/分/1.73m2未満の状態が3か月以上続く場合、慢性腎臓病と診断されます
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尿中アルブミン/クレアチニン比11-13)

  • 尿中アルブミン/クレアチニン比は、尿中アルブミン値を測定し、クレアチニン値との比率を表します
  • 尿アルブミン区分は尿中アルブミン/クレアチニン比により下記のように分類されます
    • 正常(30mg/gCr未満)
    • 微量アルブミン尿(30~299mg/gCr)
    • 顕性アルブミン尿(300mg/gCr以上)
  • 微量アルブミン尿の検査は糖尿病性腎症の早期発見に重要です

尿中アルブミン値が微量であっても、尿中アルブミン値が正常な患者に比べて、心血管イベントによる死亡率が1.5倍高いといわれています13)

心血管イベントには心筋梗塞、心不全、心臓突然死、脳卒中が含まれます13)。微量アルブミン尿はeGFRとは独立した心血管障害のリスク因子です14)

慢性腎臓病に起因する腎障害は細胞レベルで発生するため、eGFRにより腎障害が明らかになる前に既に心血管系に影響を与えている可能性があります。CKD診療ガイド2012では定期的な腎機能検査や尿検査を行うことが望ましいとされており、KDIGO診療ガイドラインでは上記の2つの検査を毎年行うことが推奨されています。しかし、世界的にみて、尿中アルブミンを用いたスクリーニングの実施率は十分とはいえません11,12,15,16)

 

KDIGO:Kidney Disease Improving Global Outcomes(国際腎臓病ガイドライン機構)

 

CKDの重症度は、原因(C)、GFR(G)、尿中アルブミン値(A)に基づくCGA分類で評価します11)

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日本腎臓学会編, CKD診療ガイド2012. 東京医学社

微量アルブミン尿の早期発見は、腎臓と心血管イベントを防ぐ第一歩です17)

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慢性腎臓病

~進展の要因を探る~ 

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References:
  • 1. Ninomiya T, et al. J Am Soc Nephrol. 2009;20(8):1813-1821. 2. Schefold JC, et al. Nat Rev Nephrol. 2016;12(10):610-623. 3. United States Renal Data System. https://usrds.org/2009/V1_FULL_09.zip. Bethesda, MD; 2018. 4. Kidney Disease Improved Global Outcomes Committee. Kidney Int. 2013;3(1):1-150. 5. Alicic RZ, et al. Clin J Am Soc Nephrol. 2017;12(12):2032-2045. 6. Bauersachs J, et al. Hypertension. 2015;65(2):257-263. 7. Thomas MC, et al. Nat Rev Dis Primers. 2015;1:15018. 8. Afkarian M, et al. J Am Soc Nephrol. 2013;24(2):302-308. 9. Dalrymple LS, et al. J Gen Intern Med. 2011;26(4):379-385. 10. Fox CS, et al. Lancet. 2012;380(9854):1662-1673. 11. 日本腎臓学会編, CKD診療ガイド2012. 東京医学社 12. Campion CG, et al. Can J Kidney Health Dis. 2017;4:2054358117705371. 13. Van der Velde M, et al. Kidney Int. 2011;79(12):1341-1352. 14. Matsushita K, et al. Lancet. 2010; 375(9731): 2073-2081. 15. Willison A, et al. BMJ Qual Improv Rep. 2016;5(1):u209185. 16. Kidney Disease Improved Global Outcomes Committee. Kidney Int. 2013;3(1):1-150. 17. Sacks DB, et al. Diabetes Care. 2011;34(6):e61-e99. Return to content

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