作用機序
ケレンディアはアルドステロンによるMRの過剰活性化を抑制し、ACE阻害薬/ARBに追加することで、心血管・腎イベント抑制が期待されます。
非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 (MRA)であるケレンディアは、ミネラルコルチコイド受容体 (MR)の過剰活性化を抑制することで、心血管・腎障害の発症や進展を抑制します。
特に、ACE阻害薬またはARBへ追加投与することで、これらの薬剤で抑制しきれなかったアルドステロン、あるいはアルドステロン非依存的な機序によるMRの過剰活性化を抑制することで、心血管・腎イベントの発症抑制に貢献することが期待されます。
2型糖尿病を有する患者において、心血管・腎イベントの発現リスクが上昇する要因の一つに、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の亢進が関与することが知られています。そのため、ACE阻害薬またはARBに加えて、RAASの最下流にあるMRの活性化を直接阻害する治療法は、心血管・腎イベントのリスクを低減させることが期待されます。
- ACE阻害薬/ARBはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の上流を抑制することで、心血管・腎イベントを抑制します1-2)
- ACE阻害薬/ARBによっても抑制しきれないアルドステロンが存在します (アルドステロンブレークスルーなど) 3-5)
- アルドステロンがMRの過剰活性化を引き起こします6-7)。糖尿病や肥満などは直接MRの過剰活性化を引き起こします 7)。
- MRAであるケレンディアは、アルドステロンによりMRの過剰活性化を抑制することで心血管・腎イベント発症抑制に貢献します。
1)Palmer SC et al. Lancet 2015; 385: 2047–2056
2) Thomopoulos C et al. J Hypertens. 2017;35:922–944
3) Staessen J et al., J Endocrinol 1981:91:457-465
4) Bomback AS et al., Nat Clin Pract Nephrol 2007:3:486-492
5)Schjoedt KJ et al., Diabetologia 2004:47:1936-1939
6) Bauersachs J et al., Hypertension 2015:65:257-263
7) Nishiyama A. Hypertens Res. 2019 ; 42 : 293-300
動画
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