製品特性と作用機序
ホスレノールの特性
- ホスレノールは透析期および保存期の慢性腎臓病患者に使用できる、カルシウムを含まない高リン血症治療剤です。
- ホスレノールは水なし服用が可能なチュアブル錠、噛み砕かずにそのまま服用できる顆粒剤、および唾液で服用可能なOD錠があります。
- ホスレノールは一般名「炭酸ランタン水和物」であり、腸管内で作用し、ほとんど吸収されません。
- ホスレノールは透析期および保存期の慢性腎臓病患者において、血清リン濃度低下効果が認められています。
- 重大な副作用として、腸管穿孔・イレウス(いずれも頻度不明)、消化管出血・消化管潰瘍(いずれも頻度不明)が報告されています。
その他の副作用(発現頻度5%以上)は、嘔吐、悪心、便秘でした(添付文書の副作用及び臨床成績の安全性の結果を参照)。
ホスレノール(炭酸ランタン)は、腸管内で食事由来のリンと強力に結合することにより体内にリンを取り込ませずに糞便中に排泄させ、これにより血清リン値を低下させます。
炭酸ランタンは、リンと結合し、リン酸ランタンとなります。このリン酸ランタンは、難溶性であり腸管内からほとんど吸収されることなく糞便中に排泄されます。
炭酸ランタンはpH3、5、7でそれぞれ97.5%、97.1%、66.6%と高いリン除去率を示すことから、胃内や小腸でpHに依存せず、高いリン結合作用を発揮すると考えられます。