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第4の習慣:Win-Winを考える

監修 東京慈恵会医科大学 教授・慈恵医大晴海トリトンクリニック 所長 横山啓太郎 先生

■本項のポイント

  1. 生活習慣病の患者さんの行動変容は、患者さんと医療者がWin-Winの関係を築くことで成功する。
  2. 患者さんと医療者がWin-Winの関係を築くには、医療者がリーダーシップを発揮して互いの信頼関係を築くことが大切。
  3. 患者さんと医療者の間にWin-Winの関係を築けたら、行動変容の目標や方針などを患者さんと取り決める。
  4. 患者さんが主体的に行動変容に取り組めるようにスタッフ全員がサポートする。

医療者がリーダーシップを発揮して、患者さんとのWin-Winの関係を築くことが大切

『7つの習慣』において、「良好な人間関係におけるリーダーシップの習慣とは、『Win-Winを考える』ことである」と述べられています1)

このWin-Winの考え方というのは、人間関係において必ずお互いの利益になる結果を見つけようとする考え方と姿勢を表しています。その根本には、全員が満足できる方法は十分にあるという考えが存在しており、さらには「Win-Winは、第3の案の存在を信じることである。あなたのやり方でもなければ、私のやり方でもない、もっとよい方法、もっとレベルの高い方法だ」2)とコヴィーは述べています。この第3の方法を見つけるためには、互いの立場や考え方を説明し、互いに満足できる方法が見つかるまで話し合うことが大切です。

生活習慣病の患者指導において、医療者はリーダーシップを発揮して患者さんに行動変容を促す立場です。患者さんが指示どおりに減量できない場合、医療者は別の方法を探すでしょう。『7つの習慣』では、「あなたの誠意、主体性、Win-Winをめざす決意が強くなるほど、相手に与える影響力も大きくなる」と述べています3)。ここでの「あなた」は医療者、相手は「患者さん」に該当します。したがって、患者さんとWin-Winの関係を築けるかどうかは医療者にかかっているといえます。

イメージ

Win-Winの関係は信頼関係のうえに成り立つ

Win-Winの関係は人格、人間関係、協定、システム、プロセスという5つの側面からできているといわれています(図)4)

Win-Winの関係を築くことは容易ではなく信頼関係が重要です。信頼関係があれば互いに協力することができ、問題点を理解し、お互いのためになる解決策を一緒に見つけることに集中できるでしょう。

人間(信頼)関係は互いの人格を尊重することで成り立ちます。信頼関係を築くためには、礼を尽くし、敬意を払い、意見を尊重することが大切です。また、コミュニケーションの時間を長くとり、相手の話をよく聴き、深く理解するよう努め、そして自分の意見を述べる勇気が大切です4)。Win-Winの関係を築くには、大きな思いやりと勇気が必要なのです4)

図 Win-Winの関係の5つの側面

図 Win-Winの関係の5つの側面

出典: スティーブン・R・コヴィー, 完訳 7つの習慣30周年記念版. 東京, FCEパブリッシング キングベアー出版, 2020年, p.307.

患者さんと医療者の間で、目標とそれに至るプロセスを取り決める

「人間関係を築ければ、Win-Winの中身を明確にしそこに至るまでの道筋を示した協定を結ぶことができ」、その協定では以下の5つの要素をはっきり決めることが大切である」とされています5)。患者と医療者の間で人間関係を築くことができると、そこから双方にとってWin-Winが何かを明確にし、そこに至るまでの道筋について合意を得ることができます。その合意に至るプロセスにおいては、以下の5つの要素をはっきり決めることが重要になってきます。

5つの要素

協定の要素 協定の内容
望む成果 いつまでに、何を達成するのか(手段を決めるのではない)
ガイドライン 望む成果を達成するときに守るべき規準(規則、方針など)
リソース 望む結果を達成するために使える人員、資金、技術、組織のサポート
アカンタビリティ(報告義務) 結果を評価する基準、評価する時期
評価の結果 達成度合い、貢献度合い、評価の結果としてどうなるのか

取り決めを合意することで、人間関係のパラダイムは対等な立場で成功をめざすパートナーシップに変わります。患者自身がボスとなり自分を管理して行動するようになるのです5)

患者さんに行動変容を促す際は、この5つの要素を参考にして、患者さんと医療者の間で取り決めを作るとよいでしょう。

また、Win-Winが機能するには、それを支えるシステムが必要です6)。患者さんに行動変容を促す際には、主治医を含むスタッフ全員でサポートする必要があります。

さらに、コヴィーはWin-Winの結果に到達するまでのプロセスは上述の5つの要素を押さえることだけでなく、以下の4つのステップを踏むとよい、と述べています7)

4つのステップ

ステップ サポート内容
ステップ1 相手の視点に立つ 問題を相手の視点に立って眺めてみる。相手のニーズや関心事を当の本人と同程度に、あるいはそれ以上に理解しようとし、言葉にしてみる。
ステップ2 対処すべき問題点を見極める 対処すべき本当の問題点や関心事(立場でなく)を見極める。
ステップ3 目標の同意 どんな結果であれば、双方が完全に受け入れられるのかを明確にする。
ステップ4 目標達成のための方法の同意 その結果に到達するための方法として新しい選択肢を見つける。

順を追ってステップを踏むことで、Win-Winの結果に到達することができるでしょう。

■臨床に役立てる

<事例>
【対象】肥満の患者さん
【目標】間食をなくす。
【具体的方法】
相手の視点に立つ:間食している状況を確認する。
対処すべき問題点:孫のためにお菓子は用意しておきたいが、それとは別でテレビを見ながらつい間食してしまう。
対処方法のアドバイス:「孫におやつの袋に名前を書いてもらい、その時間以外はお菓子を食べないことを孫と約束したらどうでしょう?」というような提案をし、孫との約束という楽しい行為に置き換えてみる。

文献
1)
スティーブン・R・コヴィー, 完訳 7つの習慣30周年記念版. 東京, FCEパブリッシング キング ベアー出版, 2020年, p.288.
2)
スティーブン・R・コヴィー. 前掲書: p.289-290.
3)
スティーブン・R・コヴィー. 前掲書: p.316.
4)
スティーブン・R・コヴィー. 前掲書: p.306-307.
5)
スティーブン・R・コヴィー. 前掲書: p.318-319.
6)
スティーブン・R・コヴィー. 前掲書: p.329.
7)
スティーブン・R・コヴィー. 前掲書: p.333-334.

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