知っているようで、知らない 腎臓トリビアクイズ
今月のクイズ
- ネコに腎不全が多いのはなぜ?
- 急性腎障害発症時に腎機能の回復に寄与する血中タンパク質「AIM」がネコでは尿中に移行しないため
- ネコは他の動物に比べて、腎不全で亡くなる割合が高いと言われています。多くの場合、5~6歳頃に尿管結石や腎炎などで急性腎障害を発症し、腎機能が完全に回復しないまま慢性腎不全となって15歳前後で亡くなるようです。東京大学の研究グループは、この要因の1つが、AIM(apoptosis inhibitor of macrophage)という血中タンパク質の機能不全であることを明らかにしました。
AIMは、急性腎障害で腎機能が低下すると血中から尿中に移行し、尿細管腔内の死細胞塊の除去による管腔閉塞の解消に重要な役割を果たすことで腎機能の回復に寄与しているそうです。しかし、ネコの場合は急性腎障害が起きてもAIMが血中から尿中に移行せず、その機能を果たさないのだとか。AIMが尿中に移行しさえすれば、尿細管腔の閉塞を解消する機構はネコにも備わっていると考えられるため、AIM製剤によってネコの腎不全を予防・治療できるようになるのではないかと期待されています。【出典】
Sugisawa R et al. Sci Rep. 2016; 6: 35251.
【出典】
Sugisawa R et al. Sci Rep. 2016; 6: 35251.
腎性貧血を有する腹膜透析患者を対象としたMIYABI PD試験についてご紹介します。