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アルブミン尿を診る

尿タンパクの成分は、アルブミンやグロブリンなどですが、試験紙法の検出限界以下でも尿中に微量のアルブミンが存在することがあります。今回は、この微量アルブミンを測定することの重要性についてみていきます。

微量アルブミン尿が認められる人はどのくらい?

尿試験紙法を用いた尿タンパク定性検査における(-)~(2+)では、微量アルブミン尿の可能性があります

40~74歳の日本人特定健診受診者33万例超を対象とした調査では、試験紙法による尿タンパク定性検査でタンパク尿を認めたのは5.4%でした1)。一方、40歳以上の日本人約2,300例を対象とした研究では、尿タンパク(アルブミン)定量検査で微量アルブミン尿が13.7%に認められました2)
尿タンパク定性評価は、尿の濃縮・希釈状態が結果に影響するため、必ずしも実際の尿タンパク量と相関するとは限りません。 定性検査で(-)~(2+)の場合、尿タンパク(アルブミン)定量検査で微量アルブミン尿の可能性があります(表)3)

表 タンパク尿・アルブミン尿の評価3)

表 タンパク尿・アルブミン尿の評価

3)日本腎臓学会編. CKD診療ガイド2012. 東京医学社

なぜ微量アルブミン尿を診る必要があるのか?

多くの研究から、アルブミン尿は推算糸球体濾過量(eGFR)とは独立した末期腎不全および心血管疾患の危険因子であることがわかっています4-6)

尿試験紙法におけるタンパク定性検査で検出されるのは主に尿中アルブミンですが、定性検査では検出できない微量アルブミン尿であっても、尿中アルブミン値が正常な人に比べて、末期腎不全発症リスクは11倍高く3)、心血管イベントによる死亡率は1.5倍高いといわれています4)
一般住民においても、微量アルブミン尿はeGFRとは独立した心血管障害のリスク因子であることがわかっています5)
また、アルブミン尿は、慢性腎臓病(CKD)のリスクが高い人でも一般住民でも、独立した末期腎不全の危険因子であることが示されています(6)。そのため、微量アルブミン尿の早期発見は、腎臓イベントと心血管イベントを防ぐ第一歩となるのです7)

図 尿中アルブミン/クレアチニン比と末期腎不全の関係6)

図  尿中アルブミン/クレアチニン比と末期腎不全の関係

目的:eGFRまたは/およびアルブミン尿と末期腎不全などの腎予後との関連について、一般住民集団およびCKD高リスク集団において検討する(海外データ)。
対象:前向き住民研究より抽出した一般住民集団845,125例およびCKD高リスク集団(心血管リスク保有または心血管疾患既往者)173,892例。
方法:collaborative meta-analysisにより、eGFRとアルブミン尿が末期腎不全、急性腎障害、CKD進行の危険因子となるかを検討した。年齢、性、人種、心血管危険因子で調整し、Cox比例ハザードモデルにより末期腎不全と急性腎不全のハザード比を求め、ロジスティック回帰分析によりCKD進行のオッズ比を求めた。

Reprinted from Kidney Int., 80, Gansevoort RT et al, Lower estimated GFR and higher albuminuria are associated with adverse kidney outcomes. A collaborative meta-analysis of general and high-risk population cohorts, 93-104., Copyright 2011, with permission from Elsevier.

尿アルブミン量の測定方法と保険適用基準

定量検査では、尿クレアチニン濃度により尿の量または濃度の影響を補正し、1日量に比例した尿アルブミン量を推定します

定量検査では、随時尿で尿アルブミン濃度と尿クレアチニン濃度を測定して比率を計算し、成人の1日クレアチニン排泄量を1gとすることで推定1日尿アルブミン量を計算します。尿アルブミン/クレアチニン比(mg/gCr)30未満が正常です。(タンパク尿で評価する場合の尿タンパク/クレアチニン比の正常値は0.15mg/gCr未満)

尿アルブミン定量測定は、糖尿病または糖尿病性早期腎症患者の一部において、条件付きで保険診療が認められています

保険診療による尿アルブミン定量測定は、「糖尿病または糖尿病性早期腎症患者であって微量アルブミン尿を疑うもの(糖尿病性腎症第1期または第2期のものに限る。)に対して行った場合に、3ヵ月に1回に限り算定できる」とされています。糖尿病において、尿定性で1+以上の明らかな尿タンパクを認める場合の尿アルブミン測定は保険で認められていないため、治療効果を評価するために定量検査を行う場合は尿タンパク定量を検討します8)

尿アルブミン定量測定

診ていくポイント

  • 尿タンパク(-)や(±)でも微量アルブミン尿の可能性がある
  • 微量アルブミン尿は、末期腎不全および心血管疾患の危険因子である
  • 尿アルブミン定量測定は、糖尿病または糖尿病性早期腎症患者かつ微量アルブミン尿を疑うものに対して、3ヵ月に1回に限り算定できる

References:
1. Iseki K, et al. Clin Exp Nephrol. 2012; 16(2): 244-249. 2. Konta T, et al. Kidney Int. 2006; 70(4): 751-756. 3. 日本腎臓学会編. CKD診療ガイド2012. 東京医学社 4. van der Velde M, et al. Kidney Int. 2011; 79(12): 1341-1352. 5. Chronic Kidney Disease Prognosis Consortium, et al. Lancet. 2010; 375(9731): 2073-2081. 6. Gansevoort RT, Kidney Int. 2011; 80(1): 93-104. 7. 碓井知子. 日腎会誌. 2015; 57(8): 1275‒1280. 8. 日本腎臓学会編. エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018. 東京医学社

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