知っているようで、知らない 腎臓トリビアクイズ
今月のクイズ
- 冬眠期のクマは排泄しないのに尿毒症にならないのはなぜ?
- 冬眠期に特異的なタンパク質代謝機構が備わっているから
- 北米に生息するアメリカクロクマは秋になると夏の2倍以上のエサを食べ、脂肪をたっぷり蓄えて冬ごもりに入ります。冬眠期は飲まず食わずで、排泄もしません。エネルギーは蓄えられた脂肪から得ていますが、タンパク質の代謝も行われています。タンパク質代謝の過程でアミノ酸が分解されると最終代謝産物として尿素が生成するため、排尿しなければ血中尿素が増加するはずですが、アメリカクロクマの冬眠期では血中尿素が冬眠前より低下するそうです。
その要因の1つとして、冬眠期では血中尿素が腸上皮を通じて腸管内に拡散し、腸内細菌のウレアーゼによってアンモニアと二酸化炭素に分解され、アンモニアが血中に戻ってタンパク質の合成に再利用されるという特異的な機序が推測されています。【出典】
森田 哲夫. 哺乳類科学. 1995; 35: 1-20.
【出典】
森田 哲夫. 哺乳類科学. 1995; 35: 1-20.
マスーレッドの作用機序(低酸誘導因子「HIF」が誘導する赤血球産生のメカニズム)についてご紹介します。